今年のベルリン国際映画祭で、主演の寺島しのぶさんが、銀熊賞を受賞した作品ということで、注目を浴びていた作品、封切りの今日、さっそく見に行ってきました。
傷痍軍人が、帰還した。勲章をぶら下げ、軍神となって。妻を殴ったその手も、妻を蹴り上げたその足も、戦地で失い、頭と胴体だけの姿になって。銃後の妻の鑑たれ。家庭は最後の決戦場なり。口もきけず、耳も聞こえず、身動きのできない身体となっても・・・。
初日、昼過ぎの回を見に行ったのですが、満席、立ち見状態で、みなさん、関心が高いようです。やはり、年輩の方が多いように感じました。
戦争がもたらす悲劇を描いている作品。戦争ものというと、どうしても戦いの前線を描いている作品などが多いが、これは、戦いから帰って来た男と、その妻を描いている。こんな姿になって戻って来た夫。いくら軍神として、人々からあがめられていても、介護する妻の大変さ。とくに、今と違って、何もない当時の介護の大変さって、今以上だろうなぁ。食べさせてもらったり、下の世話まで、全て妻がと。そんな男の姿に、寝たきりで、ボケも入って来た父の姿が思わず重なってしまった。終戦から65年、考えさせられる作品だった。ぜひスクリーンで見て欲しい。