映画のチラシを見たときからぜひ見たいと思った作品、ようやく見に行ってきました。
今日は平日、夜の回を見に行ってきましたが、まずまずの入りって感じでした。
昭和62年、山あいにある小さな学校。新入生がいなかったこの年、校長先生は「子どもたちのお友達に」と3頭の子牛を入学させました。素朴な木造校舎、牛との共同生活、そして迎える「牛の卒業式」。地元放送局の報動記者として訪れていた監督の時田は、たちまち学校と子どもたちのファンになりました。病気がちの牛たちを前に、一人の少女は思いました。「私がお医者さんになって牛たちの病気を治してあげる」月日は流れ、小学校は廃校に。少女は親元を離れ下宿しながら遠くの高校に通っていました。「高校3年間、テレビは見ない。」子ども頃の夢に向かって猛勉強する彼女の姿を目の当たりにした時田は、「見届ける」ことを決意。以来、高校生活、大学受験、国家試験…歳月は26年に及びました。
見終わって、すごい充実感を感じた作品。新潟の山間の小さな学校にやってきた子牛と世話をする子供たちを丁寧に描いたドキュメント。牛の世話も、毎日小屋の掃除やえさやりも欠かさずやっているし、牛と一緒の運動会もとても微笑ましい。また、牛はペットとしてではなくあくまでも家畜として、400キロを超えると売りに出すという約束。その日まで毎日丁寧に世話をする子供たちの姿はとても感動的。そして、別れを悲しむ子供たち。その中で、知美さんは将来牛のお医者さんになろうと決意する。また、知美さんはその後、親にお願いして、自宅でも子牛を飼ったりして、牛好きは大したものだと思った。また、学校ではその後豚も飼って、出荷したりして、獣医としての想いを募らせたのかなと思った。小学校高学年から将来の夢の実現にむけてひたむきに頑張る姿はすごい。高校ではテレビを見ない生活だなんて、誘惑が多い年代で頑張ったなぁと思った。大学受験、そして結果。また、資格受験、そして結果と、いつもたった一度きりの受験と決めて頑張っている姿に思わず合格後の姿にはもらい泣きをしてしまった。獣医師として現場に立つ姿はそれこそ牛のお医者さん。中越地震の時は、あの山古志村に赴いて、牛の搬送を男性に交じって手伝っている姿に感動してしまった。なかなか動かない大きな牛だが、力任せではなく動かしている姿、それでいて、少しでも気を緩めれば大けがしてしまうだろうが、慣れではなく、小さい時から体で覚えたもので導いているって感じ。
そして、獣医として、実家の牛のお産に立ち会う姿はすごく頼もしい。ご両親があんなに心配している牛なのに、あっけなく決断を下せる、それはすごいなと思った。
本人の夢に向かって頑張る姿もすごいが、家族がその姿を心から応援している姿にも感動。エンディングのUruさんの歌う「卒業写真」のカバーがとても優しい歌声で、また印象的だ。
見てよかったと思った作品。この充実感はしばらく続きそう。
これはぜひスクリーンで見てほしい作品。できれば子供さんにも見てほしい作品だと思う。