ある夏の日、敦は急死した台湾人の父親の遺灰を届けるために、弟と日本人の母親と、台湾の小さな村にやって来た。素直に甘えられる弟とは対照的に、敦は悲しみも母親を案ずる気持も、小さな胸にしまい込んでいる。そんな心情をくみとる余裕がない若い母親とは、どこかギクシャクした毎日を東京では過ごしていた。近くて遠かった父親の故郷では、日本語を話す優しいおじいちゃんが待っていた・・・。
映画の予告を観て、気になった映画、芥川龍之介の短編小説「トロッコ」を現代に映画化ということで、どんな映像になるのかと、さっそく見に行ってきました。今日はレディスディということで、女性を中心に結構入っていた感じです。
芥川龍之介の「トロッコ」ってたしか・・・。ってくらい話のストーリーがもうおぼろげだったせいか、なんか新鮮にこの映画を観ることができた。台湾の山の中の小さな村って感じ。ただ、そこには、戦前・戦中と、日本人が住んでいた建物がそのまま、台湾の人たちが引き続き使っているというところで、家並みもなんか昔の日本人の長屋そのもの。村の子供たちもそれこそ昔の日本人の子供たちと同じって感じ。そんな中に、昔ながらの霊廟がひっそりとあったりして、こんな大きな建物、子供だったら怖かったかも、等と思いながら見ていた。日本語を話すお祖父ちゃんとの交流、村の木々の緑の美しさ、静かなたたずまい、思わず見とれていた。
後半、トロッコに乗って出かけた先の山の自然の美しさなど映像の美しさに見とれていた。必死の思いで戻った兄と母の会話に思わず涙。
ラスト、一回り大人になった兄の姿が素敵だった。