映画の予告を見て、すでに胸をう長けていた作品、音楽もののドキュメントということで、さっそく見に行ってきました。
戦争による混乱と貧困でカオスとなったコンゴの首都キンシャサで、障害を持ち、家がなく動物園で眠り演奏する。それはまるで世界のどん底。しかしその音楽は豊に輝き、メンバーはとことん前向きだった・・・。
今日の試写会はほぼ満席というくらい、大勢の方がみえてました。
コンゴの首都キンシャサでストリートバンドをして日々の暮らしをしている人たち。彼らは車椅子に楽器を持ち、演奏を続けている。そんな姿を丁寧に描いている。都市の動物園で練習をしてみたり、と、練習の模様など。といっても、ここが動物園!?というくらい、なんにもないのっぱらみたいな風景、ところどころに小さな檻があって、動物がいるって感じ。ストリートバンドを組んでいるベンダ・ビリリの人たちは、障害者用のシェルターといわれるところで暮らしているが、なんかすっごいところ。こんなところで・・・。などと思ってしまう。田舎から、生活のために出てきた子供たちのストリートチルドレンの姿なども丁寧に描かれている。そんな中で、自分で作った楽器を片手に、都会にやってきた少年ロシェ。彼の言葉に思わずこの国の、ストリートチルドレンの現状を考えさせられる。でもでも、このスタッフ・ベンダ・ビリリの音楽は、そんな日々のつらさをからりと歌っていて、それでいてパワーがあって、リズミカル。聞いていて思わずmikiもリズムをとりたくなった。生活のため、一時バンド活動を中断せざるを得なかったメンバー。その後の再会のロシェが大きくなったこと、そして、楽器の腕前も格段に上がっている姿など、丁寧に撮っている。途中、ちょっと似たようなシーンがあって、ちょっと飽きも出た。が、クライマックス、キンシャサから世界のスタッフ・ベンダ・ビリリとして、都市をわたり、公演を続ける姿や、観客が盛り上がっている姿など、観ていてわくわくする。
是非、彼らのドキュメント、音楽をスクリーンで楽しんでほしい。
今年の秋に、スタッフ・ベンダ・ビリリが日本で公演するらしい。こちらの公演も行ってみたいと思った。
この試写会の後で、JICAの飯村さんが、コンゴ、キンシャサの現状について、約1時間にわたってお話しいただいた。その中の内容を少し。
コンゴは、コンゴ共和国とコンゴ民主共和国にわかれているが、それは植民地として、統治した国がちがっていたから。首都キンシャサと川を挟んでブラザビルと首都同士が凄く近い距離にあるが、川を渡って、他国に入るには、結構時間がかかる。
キンシャサでは、外国人が来ると、障害者たちが皆やってきて、寄付をお願いする。寄付をすると、領収書が発行されて、それを建物に張っておくと、1年間寄付を強要されない。
キンシャサの街のビルは、植民地統治時代に建てられたビルがそのまま残っているが、その後は余りたてられていないようだ。道路もほとんどなく、車が通れる道などほとんどない。雨が降ると、道路が雨であふれてしまう。
鉄道も、キンシャサから海側に向かう鉄道しかなく、その鉄道も飯村さんが再度行った時には動いてなかった。
などなど、興味深いお話をいただいて、もう一度この映画を観てみたくなった。