映画紹介の記事を読んで気になった作品、早速見に行ってきました。
今日は公開初日、モーニングショーのみの公開でしたが、結構大勢の方が見に来ていました。上映終了後、監督のお話を伺い、これはこの病の事だけでなく、今起きている原発などの問題もみな同じ、というお話しがとても印象的でした。
住み慣れた地で家族と平穏に暮らしたい、人間らしく生きたい、そんな素朴な、ごく当たり前の願いが、ある日突然、国策という名のもとに奪い去られた人たちがいる。彼らの運命を決定づけたのは三つの法律。彼ら、彼女らが強制隔離された地は遠い異国ではなく、私たちが暮らすこの国土にある。その地に送られた人たちは、名前を変えされられ、ふるさとへの帰郷は許されない。ハンセン病という理由だけで、この地でひたすら死を待つ生活を強いられてきたのだから…。
国の隔離政策のために、療養所へと追いやられた人々。でも、そこは療養所とは名ばかり、それこそ収容所という施設。なぜそこに牢獄があり、牢に閉じ込められたりしなければならないのか。中では囚人のような着物を着せられ、そこでしか通用しないお金しか持たされず、そして火葬場、納骨堂まであるなんて、観ていて信じられなかった。また、収容されるときも、病院の前でそんなことをされるのか!?プライバシーや人権などない生活。子孫断絶、思わず見ていて涙が出てきた。
国を挙げての無癩県運動、そんなものがあったのか。また韓国にも同じように収容施設を作っていたなんてこの映画で初めて知った。
松本清張さんの作品「砂の器」のあのお父さんは、そのため子どもを連れて流離っていたのかと思った。
終わりに出てきた句がとても印象的だった。法律が亡くなっても差別は消えない、いまだに残る差別についても考えさせられた。
監督が、上映後の挨拶で国は変わらない、変わろうとしないとおっしゃっていた。すごく印象的な言葉だった。
是非スクリーンで見て欲しい、知って欲しい作品。