若松孝二監督の遺作となった本作、さっそく見に行ってきました。
今日は平日、夜の回を見に行ってきましたが、まずまずの入りって感じでした。
紀州の路地に生を受け、女たちに圧倒的な愉楽を与えながら、命の火を燃やしつくして死んでゆく、美しい中本の男たち。その血の真の尊さを知っているのは、彼らの誕生から死までを見つめ続けた路地の産婆・オリュウノオバだけである。年老いて、いまわの際をさまよい続けるオリュウの胸に、この路地に生を受け、もがき、命を溢れさせて死んでいった美しい男たちの物語が甦る。己の美しさを呪うように、女たちの愉楽の海に沈んでいった半蔵。火を噴くように生きていたいと切望し、刹那の炎に己の命を焼き尽くした三好。路地から旅立ち、北の地で立ち上がろうともがいて叩き潰された達男…。
産婆オリュウノオバの回想と、中本の家系の男たちを描いている。回想で描かれる時代は戦前なのかと思うのだが、風景や建物など、現地ロケでそのまま使われているって感じなので、見ていてこれはいったいいつの時代なのか?と迷ってしまう感じ。中本の家系の男たちを旬な男優さんたちが演じていて、こちらはちょっと見どころ。産婆の目を通して、男たちの生と死を見つめている作品、くしくも若松監督の最後の作品となってしまったのが残念でならない。映像の中に流れる歌がとても印象的。
やはり、若松監督の最後の作品だけに、スクリーンで見てほしい作品。