1994年、アフリカのルワンダで行われたフツ族によるツチ族の大量虐殺事件の映画化。この事件といえば、昨年に「ホテルルワンダ」が上映されたが、それと同様、これもまたルワンダの痛
ましい歴史の一部。「ホテルルワンダ」を見て涙した人も、未定な買った人も、この映画を見て欲しい。映画はオールルワンダロケで作成されているとのこと。
映画はルワンダの大虐殺の模様を白人の目を通して描いている。舞台はルワンダの公立技術学校。カトリック教神父で校長のクリストファー神父と海外青年協力隊の派遣教師のジョー。平和で穏やかなルワンダの町並み。そして、ある日突如起ったツチ族の虐殺。それを行っているのは、つい昨日まで隣で仲良く暮らしていたフツ族の人々。普通の人たちがナタを手に、ツチ族の人を平気で手にかけていく、とても痛ましい現実。そんなことができるのか、ただ種族が違うというだけでと不思議でならないが、そこには日本人が知らない根深い対立があるらしい。そして、虐殺に逃げるツチ族の人々はこの公立技術学校の敷地に逃げ込んだ。ここには国連軍が駐留しているため、フツ族は立ち入れない。この異常な状況の中で新しく生まれる命に思わず涙が出てしまった。そして、病気の子供のためにクスリを求めようとする神父。映画の中盤から後半にはとても重苦い現実の連続。どこで終わりが来るのか、ツチ族の人たちはどうなってしまうのか、見ていて胸が苦しくなる。この現実に衝撃を受けながらの観賞だった。そして、ラストの衝撃的な映像には涙なしでは見ていられなかった。こんな出来事がつい10年前に地球上で起っていたとは。エンドロールには、当時の痛ましい出来事を経験しているこの映画のスタッフが紹介されているので、見て欲しい。
この試写会のときに、資料として今のルワンダを紹介するパンフレットをもらったが、そこには問いも美しい自然の国、明るい国民の住む国としてのルワンダがうつっていた。
重苦しい映画ではあるが、派遣教師ジョー役のヒュー・ダンシーがけっこうイケメン、若い頃のオーリーに雰囲気が少し似てるかも?などと思いながら彼を見ていたのだが・・・。